分解♪

楽しい分解ー大物編

2008年11月19日

昨日、物理のスタッフKさんがLEDライトの分解をしていました。
そのライトは私が昨日買ってきたもの…さっそく分解されるなんて……写真撮らなきゃ!
と思ったのですが、カメラが手元になく、しかも充電切れでした。。。残念。
ライトはスイッチの接触不良のため分解されていました。
買ったばかりで保証書もついているし、電気屋さんに持って行った方が安心では?などと思っている間にすっかり直ってしまいました。
さすがKさん!
3千円のLEDライトだったので、電気屋さんに修理に出すと、新品に取り換え(不良品は廃棄処分)だったかもしれませんね。
またひとつ、ゴミを減らすことができました。なんてエコな物理実験室♪


こちらはひと月ほど前にちょこっとだけ分解された、冷蔵庫の写真です。
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エコな物理実験室では、なんと76年に購入した冷蔵庫を今も使い続けているんです!
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30年以上前の冷蔵庫ですよ!!!
新製品の方が圧倒的に省エネでしょうが、現在使っている冷蔵庫を廃棄処分する際に出るCO2の量と、省エネで削減されるCO2の量、一体どちらが少ないのでしょうね。
さすがに30年前の冷蔵庫だと、廃棄処分しても買い替えた方がエコなのかも知れませんが。

この冷蔵庫、ひと月ほど前に廃棄処分されそうになってました。
冷蔵庫が冷えなくなり、冷凍庫からは水が漏れてきたのだそうです。
え??もしかして冷媒(古いから多分フロン)が漏れてきたの???
中に入っていた薬品には被害がなかったのですが、冷蔵庫は再起不能に思えました。
かなりの大物だし、壊して、じゃなかった、分解して遊ぶ、じゃなかった、分解して修理するにはちょっと大きすぎかなぁ、と思っていたのですが、大きさ程度にひるむKさんではありませんでした。

冷凍庫の棚板をはずし、
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奥の板も外し、
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冷媒の入っている部分(パイプ部分)をよーく観察してみると、
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大量の氷が挟まっていることが分かりました!
きっとこの氷が管を圧迫し、安全装置が働いて、冷却装置が働かなくなったのではないでしょうか。
水漏れの原因は、この氷が溶けだしたからでしょうね。
氷を取り除いて元のとおりに壁や棚板を取り付けると、冷蔵庫は元通り♪
元気に薬品を冷やすようになりました。
良かったよかった♪
さすがKさん!!まるで電化製品のお医者様のようです。

M先生は「コンパクトな新しい冷蔵庫にしたかったなぁ…」と残念そうでしたが。


文責 Y

湿度計 その2

2008年10月11日

本日の記事は 湿度計 の続きです。
実験室倉庫から出してきた三種類の湿度計、その読みが異なることを不思議に思ったK先生が、それぞれの仕組みを調べ始めましたところから続きます。

二つの湿度計の仕組みはわかったのですが、最後の一つ
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この湿度計の仕組みを見ようと裏板の取り外しを試みるのですが、なかなか開けらません。
がっちりと固定されています。
業を煮やしたK先生が、ニッパーを取り出してきました。
えええ?分解じゃなくて、壊しちゃうのですか????

あっという間にぱっかりと、外枠が切られてしまいました。
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あ〜あ…
まぁ、ボンドでくっつければ元に戻りますが。。。
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では、お待ちかねの機構部分、裏面を見てみましょう!
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え?これだけ???

これには、K先生だけでなく、物理スタッフ全員がびっくりいたしました。
これだけなのに、○万円もするの?
っていうか、これでちゃんと湿度計になっているの??
一体仕組みは何?
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中心についている部品を拡大したのがこちらです。
ゼンマイが二枚組み合わさっています。
バイメタルのようにも見えますが、バイメタルでは温度は測れても湿度は測れないはず。
水蒸気を感じて伸び縮みする金属なんて聞いたことがないですよね。。

調べてみると、バイメタル式湿度計というものだと分かりました。
とはいえ金属が二枚張り合わさっている訳ではなく、金属と感湿剤(湿度により収縮率が変化するもの)を張り合わせて出来ているようです。
感湿剤が伸び縮みするとゼンマイの中心についている指針が回転する仕組みのようです。
ゼンマイが二つ付いていましたが、一つは温度計用のバイメタルだと思います。
湿度も温度によって補正する必要がありますから、これはごく簡単な仕組みですが性能は良いのではないでしょうか。

湿度はさらに、気圧によってもわずかに影響を受けます。
温度、気圧も測定できる毛髪湿度計が、実験室にあったものの中ではもっとも性能が良いようです。

それにしても、ゼンマイがついているだけだなんて…
お勉強になりました。


文責 Y

湿度計

2008年10月09日

長ーい夏休みが終わり、後期にも開講される一般物理学実験の準備をしていたときのことです。
なんと、実験器具にさびが!!
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これまで○十年と使ってきた装置ですが、さびた事なんて無かったのですよ。
それがどうして急に…
実験室が三階から一階に移転したからでしょうか…
一階に実験室を構える化学コースのY先生にお聞きしたところ、
「化学コースでは、実験机を新しく買い替えたら器具が錆びるようになった」
とおっしゃっていました。
昔の机は木製で、湿度をよく吸ったけど、今の机は(木製だけど)表面をコーティングしてあるから湿気を吸わないみたいです。
やはり日本人が長年愛用してきた「木」は、日本の気候に合っているのでしょうね。
とはいえ、今更実験机を木製に変えることはできません。
これ以上さびが進まないように出来る対策としては、
.┘▲灰鵑僚湿機能を活用する
■棒萓犬実験で使用していたでっかい除湿機を運び入れる
の二案が挙がりました。
どちらにせよ、実験室にはどのくらい湿気があるのか、除湿機を使うとどれほどの効果が得られるのかを測定してみなければなりません。
ということで、実験室の倉庫から、使われなくなっていた湿度計を探し出してみました。

美術館においてありそうな、クオーツ時計内蔵の湿度計(温度と気圧も同時に測定できます)
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よく見かける湿度計
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デジタルの湿度計
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…あれ?何か変ですね。
皆さんは気が付きましたか?
もう一度、一番上の湿度計をよーく見てみましょう。
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分かりましたか?
同じ場所に置いてあるのに、湿度の読みが三つとも違うんです!!!
さて、どれが正しいのでしょうか。

一番上の高級そうな湿度計は、毛髪式の湿度計です。
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茶色い紐のようにみえるもの、実は人間の髪の毛なんです。
これが膨張したり収縮したりする時にかかる力を読み取っているんですね。
フランス人の若い女性の髪の毛が最も良いそうですよ。

デジタルの湿度計は、センサー部分のボックスを開けるとこのような部品が出てきました。
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白い四角い部品の先に、和紙のようなものが見え隠れしているのが分かりますか?
ここに空気中の水分が吸着させるようです。
水分が吸着すると抵抗値が変わります。この様子から湿度を読み取るのだと思われます。

最後は真ん中の湿度計ですが…
あれ?がっちりと蓋がしてあって、開かないようになっていますよ???
おかしいなぁ。
どうにもこうにも開かないのを見て、K先生がニッパーを持っていらっしゃいました。
せ、先生、壊す気ですか???

K先生の知的好奇心はとどまるところを知りません。
(次回へ続く)
ひっぱってスイマセン。。


文責 Y


ポット

2008年07月18日

実験室で使用していたポットが壊れました。
湯量ゲージのあたりから水漏れがするんです。
10年近く使っていたもの。
寿命?そうかも知れません。

ポットが壊れた場合、みなさんはどうしますか?
 ー里討
◆―ねする
 とりあえず分解♪

私はというと、もちろんです。
だって壊れてるんだもん。分解してこれ以上壊れたって、問題ないですもの。
壊れたと聞いて、やった!分解できる!!!と喜んでいるのはきっと私くらいでしょう。
……と思っていたら、実験室には壊れたと聞きつけて集まった人があと二人いました。
K先生とスタッフKさんです。
Kさんの目的は修理すること、K先生の目的は私と同じく分解すること。
果たしてこのポットの運命はどうなるのでしょうか……
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とりあえず、ポットの底面から分解を始めてみましょう。
出てきたのは電源コード部と接続している導線。
水漏れもここではないようです。さ、次々♪
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外枠にくっついているコードを外して、
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側面を外してみると…
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出てきました♪普段は見えないポットの中身です。
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この銀色の部分とポットのお湯を入れる部分の間には、どうやら電熱線がぐるぐる巻かれているみたいです。
いくつも出ている色鮮やかなコードは、温度表示部分につながっているので熱電対か何かでしょうか。
驚くことに、ポットは魔法瓶になっていないんですね。。。
電熱線と外部の間に真空層があって、しっかり保温できる構造になっているとばかり思っていました。
このポットは、ただ空気層があるだけです。
そういえばポットの側面はいつも熱かったような。。。もったいない。
省エネという割には手抜きじゃないですか?
ただこのポットが古いだけで、最新のものはちゃーんと魔法瓶使用になっているのかも知れないですが…

で、問題の水漏れ部分は、矢印部分のチューブがはずれていたために起こっていただけでした。
なーんだ。
チューブをしっかり接続して、修理完了☆
新品のポットを買うお金が浮きましたね♪

おっと、よく見ると、温度表示部にも水が入っちゃっているようです。
液晶が曇っています。
ということで、こちらの蓋も外してみましょう。
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小さな部品がたくさんあるので、ドライヤーでよーく乾かして
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元のように組みなおせば完成です☆
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いやぁ分解って楽しいですね♪
(今回は)ポットも直りましたし、いいことばかり。
何か壊れたものが出たら、捨てる前に声かけて下さい!
あ、元通りになると思って持ってこないで下さいね〜


文責 Y

楽しい分解♪

2008年06月23日

一般物理学実験の必需品
・ノギス
・定規
・巻尺
ということで、物理実験室には巻尺がたくさんあります。
『実験器具で遊ぶなんて言語道断!』
と何度も何度も言っているにも関わらず、先日、巻尺で遊んでいる人がいました。
巻尺は実験器具かって?もちろん実験器具です!!

巻尺で遊んでいた学生さんは、その報いを受けることとなりました。
遊びすぎたため、巻尺を壊してしまったのです。。。
「す、すいません。本当に申し訳ないです。自分で直しますので、ドライバーを貸して下さい!」
彼女の手には、スケール部分が取れてしまったメジャーケースが握られていました。
実は実験室には巻尺の予備がたくさんあったのですが、いいお勉強になるに違いない!と思い、彼女に修理をしてもらうことにしました♪

巻尺のケースを開けるとこんな風になっています。
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黒い丸いものが巻き取り部分です。壊れた巻尺は、この巻き取り部分からスケールが外れてしまったようです。
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巻き取り部から出ていた金属にスケールをくっつけて、スケールを巻き取ってケースに収めれば出来上がり♪
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なんて、そんなに簡単には出来ていません。
この巻き取り部分の中心にはゼンマイばねがついていて、これをしっかり巻いておかないとスケールは引き出しても元に戻らず、伸びきってしまいます。
ゼンマイばねと格闘する学生さん。
(ピンセットの先にあるのがゼンマイばね)
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さらに不幸なことに、構造を確認しようと、見本になるように開けたもう一つのメジャーも壊れてしまいました……
修理を手伝う副手Iくん
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一生懸命巻いて巻いて、ばねが戻ってしまわないようにしっかり押さえて
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蓋をしてねじを締めれば
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やっと完成♪
巻尺はようやく元の姿に戻りました。
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修理に要した時間:30分
きっと良い勉強になったと思います。
これに懲りたら、実験器具で遊ばないこと!


文責 Y




液晶

2007年11月19日

私、Yは分解が大好きだったりします♪
今日のターゲットはこれ!
100円ショップで買ってきた、半透明の液晶時計です。
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最近は、液晶TVだとか携帯の画面なんかにも液晶が使われているので、液晶というと色がついた液体だと思われていることが多いのですが、液晶は無色透明なものが一般的です。
この時計も、黒色の液体が入っているように見えますが、そういう訳じゃないんですよ。
まずは分解してみましょう♪
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分解してみると、プラスチックのカバー、液晶の入ったガラス板+電子回路部分、カバーの三つに分けることが出来ました。
写真中央のガラス板を見ても、まったく透明です。
では、どうやって文字を表示しているかと言うと…
とりあえず、電池を入れてみましょう。
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…何も起こりません。。
だって液晶は無色ですもの。当然です。
ポイントはカバーになっていた黒い半透明のプラスチックの板です。
これを一枚だけ、液晶パネルに被せると…
なんとなーく、ぼやっとですが文字が見えてきました。
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反対の面にもう一枚のカバーを被せると…
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字が表示されました!

この黒いプラスチックフィルムは偏向板なんです。
細い線が、同じ方向を向いて、細かーくいっぱい書かれているようなものです。
この線と同じ方向に振動している光だけ、この偏向板を通過できます。
偏向板同士の偏光面を90度傾けて重ねると、この通り、光が通過できないので、黒くなっちゃいます。

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液晶分子は、マッチ棒のような細長い分子です。
一方向に電場をかけたり、溝の掘ってあるセルに入れたりすると、分子がその方向に並ぶことが出来ます。
で、その方向の光を通さなかったり、場合によっては偏向方向を曲げちゃったりします。
偏向板、液晶、偏向板と液晶をはさむと、液晶分子が偏光面と同じ方向に並んでいるときには光を通しますが、90°傾いて並んでいるときには光を通さない→黒色になります。

100円ショップの液晶時計なのに、こんなスゴイ物理が隠されているんですね。
科学技術も安くなったもんだ(違)
以上、たまには真面目な文章を書いてみました。


文責 Y

レーザー その2

2007年10月19日

先日『ガリレオ』というドラマを見ました。
変人の物理学者が出てくる!というので楽しみにしてたのですが、物理をやっている人間が見ると、なんだか純粋に楽しめないんですよね。。
いえ、話はとっても面白かったのですが、どーでもいいような事が気になっちゃうんです。
例えば、炭酸ガスレーザーがそれ用のミラーに当たっても、あんな風にバチッって音がして火花が出たりしない!とか。(火花が出るようなミラーじゃ危なくてしょうがないですよね。)
あんな短時間のレーザー照射(4〜5秒?)で、炭になるほど燃えるのか?とか。
金属加工用の炭酸ガスレーザーの出力は、1000〜4000Wだそうです。
家庭用のガスコンロと同じくらい。
うーん、、炭にはならないような…

とまぁ、そんなどうでも良いことを考えていると、補助員Kさんが倉庫からレーザーを見つけ出してきて下さいました。
こちらもまた古いもののようで、1986年に購入と書いてありました。
20年前…
私が生まれる前だな(嘘)
早速カバーを外してみました。
こちらもまだまだしっかり動作するようで、実験にも使えそうです。
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ただ…
現在実験で使っているレーザー発振管には、ガラス板がブリュースター角になるように設置されているんです(ブリュースター窓)。
なので、出てくるレーザー光は偏光したもの。
実験ではこの偏光面を偏向板で確認したり、ガラス板のブリュースター角を求めたりしています。
今回発掘されたレーザーにはそれがついていませんでした。
学生実験に使う時には、どうしよう。偏向板をもう一枚用意しようかな。

ちなみに、こちらはKさんのお宅にあったレーザーです。
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もちろんこちらも分解〜♪
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ずいぶんとコンパクトな発振管が出てきました。
レーザー光の出力強度はだいたい発振管の長さに比例します。
こちらは実験で使うにはちょっと出力が足りないですね。残念。


それにしても、家にこんなものがあるなんて…。
Kさんって一体…



文責 Y

レーザー

2007年09月27日

ここ、電大理工学部の一般物理学実験では、レーザーを用いた実験があります。
回折格子による干渉縞を観察したり、レーザーの偏光方向を確認したり、ブリュースター角を測定したりします。
先日、レーザーの予備実験を行っていると、バチバチバチと恐ろしげな音が聞こえてきました。
音の原因は、電源からレーザー発振管へと接続しているコードの接触不良でした。
簡単に治すことが出来たのですが、良く見るとコードは硬化しちゃってガチガチ、またいつ壊れてもおかしくない状態でした。。。

現在使用しているレーザーは、昭和63年から使用しているものです。
うーん、年代物だ。
レーザー本体もいつ壊れてもおかしくないので、今日はこの予備を確保すべく、研究に使用していたHe-Neレーザーを分解することにしました。
それがこちら。
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なんと、1978年(昭和53年)製。
新しく見えたのに、実は今使っているものよりも古いことが判明…
予備として使えるのでしょうか。。。

気を取り直して中を開けてみると、こんな感じです。
発振管の様子が良く分かりますね。
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裏はこんな風に配線されていました。
私でもなんとか理解できる程度の、シンプルな配線でした。
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電源を入れてみると、長年使っていなかったためか、出力が不安定。
でも、ここで行う学生実験には影響がない程度でした。ヨカッタ!
ということで、この捨てられそうになっていた古いレーザーは、リユースされることになりました!
こんな低出力のものでも、当時は100万程度はしたのだと思います。多分。
使えるものは使いたいですよね。
地球とお財布に優しい物理実験室なのです☆

ちなみに、現在実際に実験で使用しているレーザーがこちら。
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構造が分かりやすいようにアクリルで覆われています。
今はこういったタイプのガスレーザーはあまりないのだとか。
コンパクトな半導体レーザーが主流ですものね。
古いレーザーをお持ちの方、捨てる前に物理実験室へ声をかけて下さい!


文責 Y