2009年06月

コイン選別機とオープンキャンパス

2009年06月06日

うず電流って聞いたことがありますか?
うず電流とは、電磁誘導によって金属内に生じる電流のことです。
磁石を金属の近くで動かすと、金属内では磁界の変化を打ち消すように磁界を作ろうとし、電流が流れます(レンツの法則)。
小学校のとき、コイルに磁石を出し入れすると豆電球が光った!という実験をやった人も多いと思います。
この時生じる電流をうず電流と言うわけですが、このうず電流、いたるところに利用されていたりします。
たとえば、電磁調理器は、うず電流をいっぱい発生させ、これにより生じるジュール熱を利用しています。
どこの家庭にもある電力計も、うず電流を利用してくるくる回っています。
他にも、うず電流は磁場の動きを妨げる方向、つまり物体を動かさないように働くので、これを利用して新幹線のブレーキ(補助ブレーキ?)としても用いられています。

うず電流の大きさは、磁場の強さや磁石を動かす速さ、そして金属の種類によって変わります。
ということは、一円玉と十円玉では、うず電流が違っちゃいます。
つまり、磁石を利用してコイン選別機が作れちゃうってことです!

で、物理実験室でも作ってみました♪
じゃーん!
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(Kさん作)
写真にしちゃうと分かりにくいのですが、コインが通れるくらいに隙間を空けた二枚のアクリル板を、三つの磁石で挟んでいます。
板を斜めに設置し、アクリル板の間にコインを転がすと、コインには磁石によってうず電流が生じます。
するとうず電流がまた磁場を作るので、この磁場と磁石とが引きあう→ブレーキがかかるようになります。
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うず電流の大きさは金属の種類によって異なるので、ブレーキのかかり具合もまたコインの種類によって変わります。
アクリル板の先から飛び出したコインは、飛び出し速度が種類により異なるので、落っこちる場所も種類により変わります。
私Yはその昔、造幣局にて、このような磁石を利用したコイン選別機を見たことがあります。
ほんとに見事にコインが分かれるんですよ。
もちろん、実験室で作成したものも、きっちりとコインが分かれましたよ♪
だってKさんが作ったものだもの。精度は抜群です。
このコイン選別機、6/13のオープンキャンパス・ワークショップに登場します!
試してみたい方、ぜひぜひ電大へお越しください!

オープンキャンパスの詳細は
http://www.cse.dendai.ac.jp/admission/open_campus.html
にてご確認ください。
このほかにも面白い磁石マジックを多数用意してお待ちしております。


文責 Y